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社労士コラム

社労士の仕事内容とは?依頼できる業務とメリットについて紹介

企業経営者にとって、労務管理に関する悩みは尽きないものです。これらを適切に行うためには、法律や制度の専門知識が欠かせません。現在の社会保険労務士(以下、社労士)のサポートに物足りなさを感じたり、就業規則の作成や見直しに頭を悩ませていませんか。

特に会社設立時や従業員が10人を超えるタイミングでは、適切な労務管理が重要になります。そこで、本記事では社労士の役割やどのように企業の労務管理をサポートできるかを解説します。

社会保険労務士の仕事は大きく分けて3つ

社会保険労務士(社労士)の仕事は多岐にわたります。ここでは、大きく3つの分野について解説します。

1.労務管理・人事コンサルティング業務

一つ目は、労務管理と人事コンサルティングです。
この分野は、企業の人事部門と密接に関わる業務で具体的には以下の3つがあげられます。

● 就業規則の作成・改訂
● 人事制度の設計
● 労働問題への対応

上記の3つについてそれぞれ解説します。

就業規則の作成・改訂

就業規則は、会社のルールブックのようなものです。しかし、ただルールを書けばいいというものではありません。従業員の権利を守りつつ、会社の運営もスムーズにする必要があります。そのようなバランスの取れた就業規則を作るのが社労士の仕事です。

また、法律の改正があれば、それに合わせて就業規則も変更しなければなりません。「働き方改革」が進められていますが、この仕組みによって就業規則の大幅な見直しが必要です。

人事制度の設計

次に、人事制度の設計です。人事制度の設計においても検討事項は非常に多くなっています。

● 給与体系
● 評価制度
● 昇進・昇格の基準
● 福利厚生
● 退職金制度 など

上記のような検討事項を、会社と密に相談しながら決定するのが社労士です。同じような制度を他社からコピーしても上手くいかないため、その会社の文化や価値観に合った、オリジナルの制度を作り上げていきます。

労働問題への対応

労働問題への対応も、社労士の重要な仕事です。残業代の未払い、パワハラ、セクハラなどの問題が起きたとき、どう対処すればいいのかを会社側にアドバイスします。

ときには、従業員側の相談に乗ることもあり、社労士は中立的な立場で、問題解決のお手伝いをします。

2.社会保険・労働保険の手続き代行業務

二つ目の分野は、社会保険と労働保険の手続き代行です。これは社労士の代表的な業務の一つです。

● 社会保険・労働保険の手続き
● 給付金申請

上記が社会保険や労働保険の代表的な手続き業務です。

社会保険・労働保険の手続き

社会保険には健康保険と厚生年金保険があります。また、労働保険は労災保険と雇用保険です。

社労士は新しく従業員を雇ったときや退職したとき、さらには給与が変わったときなどに必要な手続きを会社に代わって行います。

書類作成から提出まで、すべて代行します。複雑な手続きを間違いなく行うことで、会社側の負担を大きく減らすことが可能です。

給付金申請

給付金の申請手続きも社労士の仕事です。病気やケガで働けなくなったとき、出産したとき、失業したときに、受け取れる給付金があります。しかし、申請の仕方がわからない人も多いのが現状でしょう。

そこで、社労士がどんな給付金が受けられるのか説明し、申請のサポートを行います。

3.年金・労災・雇用保険の相談業務

三つ目の分野は、年金や労災、雇用保険に関する相談業務です。

● 年金の相談・請求支援
● 労災や雇用保険に関する相談
● 助成金の活用支援 など

具体的には、上記に関する相談業務を担います。

年金の相談・請求支援

年金の仕組みや制度内容は複雑であり、いつから受け取れるのか、いくらもらえるのかなど、疑問に思う従業員もいます。

そこで社労士は、年金の種類や受給条件を説明し、それぞれに最適な受給方法などをアドバイスします。

また、年金の請求手続きもサポートするため、従業員や会社にとっては心強い存在です。

労災や雇用保険に関する相談

仕事中のケガや病気、それが原因で働けなくなったときに頼りになるのが労災保険です。

労災認定の基準も複雑であり、会社側が判断するのが難しいものです。そこで社労士が「どういう場合に労災として認められるのか」などを詳しく説明し、申請のサポートをします。

ほかにも、失業したときに受けられる雇用保険の相談にも乗ります。再就職のための給付金など、知らないと受給できない制度もあるため、それぞれの状況に応じて相談に乗るのが社労士です。

助成金の活用支援

国や自治体が制度を整えている助成金は数多く存在します。しかし、制度が複雑で、よくわからない経営者や担当者もいます。

そこで社労士が、会社の状況に合った助成金を探し申請をサポートします。上手く活用すれば、会社の経営改善につながることもあるでしょう。

社労士の独占業務とは?

社会保険労務士(社労士)は、企業における労務管理や社会保険手続きの専門家として、特定の業務を独占的に行うことが法律で認められています。
「独占業務」と呼ばれており、社労士の独占業務は、主に1号業務、2号業務、そして3号業務に分類されます。それぞれの業務について解説します。

1号業務【独占業務】

1号業務は、労働社会保険諸法令に基づく書類の作成です。具体的には、企業が労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)に提出する書類を作成します。たとえば、就業規則や労働条件通知書などが該当します。これらの書類は、法律に基づいて正確に作成されなければならず、そのためには専門的な知識が必要です。

この1号業務は、社労士だけが行える独占的な仕事です。法律や制度は頻繁に改正されるため、最新情報を常に把握しなければなりません。書類の不備や誤りは企業にとって大きなリスクとなるため、社労士の役割は非常に重要です。

また、就業規則の作成や改定は、1号業務のなかでも特に重要な業務の一つです。就業規則は従業員の労働条件や服務規律を定める重要な文書であり、法律に則って適切に作成されなければなりません。社労士は、企業の実情を踏まえつつ、労働基準法をはじめとする関連法規に準拠した就業規則を作成します。

労働時間管理に関する書類の作成も1号業務に含まれます。具体的には、36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)の作成が挙げられます。この協定は、法定労働時間を超えて従業員に残業をさせる場合に必要となる重要な文書です。社労士は、労使間の合意形成を支援しながら、適切な内容の36協定を作成します。

さらに、労災保険や雇用保険に関する各種届出書類の作成も1号業務に含まれます。これらの書類は、従業員の権利を保護し、適切な保険給付を受けるために不可欠です。社労士は、複雑な保険制度を熟知し、正確な書類作成を行います。

2号業務【独占業務】

2号業務は、1号業務で作成した書類を行政機関へ提出する手続きの代行です。具体的には、社会保険や労働保険の加入・喪失手続き、各種給付金の申請などがあります。これらの手続きは複雑で、多くの時間と手間がかかります。

社労士が代行することで、企業は手続きにかかる負担を軽減できます。また、社労士による手続き代行は、法令遵守を確実にし、不備によるトラブルを未然に防ぐことにもつながります。このように、2号業務もまた社労士ならではの専門性が求められる仕事です。

たとえば、新入社員の入社時には、健康保険や厚生年金保険への加入手続きが必要となります。社労士は、これらの手続きを正確かつ迅速に行い、新入社員が適切な社会保険制度の保護下に置かれるよう支援します。同様に、退職者の保険喪失手続きも行います。

また、労働保険の年度更新手続きも2号業務の一部です。毎年6月から7月にかけて行われるこの手続きは、前年度の保険料の精算と新年度の概算保険料の申告を行うものです。社労士は、複雑な計算を正確に行い、適切な申告を代行します。

さらに、各種給付金の申請手続きも社労士が代行します。たとえば、出産育児一時金や傷病手当金の申請、雇用調整助成金の申請などがあります。これらの給付金は、従業員の生活を支える重要な制度ですが、申請手続きが複雑なため、社労士の専門知識が必要とされます。

3号業務

3号業務は、企業や従業員への相談・指導です。具体的には、人事や労務管理についての相談対応やアドバイスを行います。たとえば、人事制度の設計や就業規則の見直し、職場環境改善の提案などがあります。

この3号業務は独占ではありませんが、社労士として培った知識と経験を活かす場面が多いです。企業経営者や人事担当者との信頼関係を築きながら、問題解決へと導く役割を担います。また、従業員からの相談にも応じ、公平な立場でアドバイスすることが求められます。

先述した人事制度の設計は、3号業務のなかでも特に重要とされる業務です。社労士は、企業の経営方針や業界の特性を考慮しながら、適切な評価制度や給与体系を提案します。その結果、従業員のモチベーション向上や公平な処遇を実現し、企業の競争力強化に貢献します。

また、労務管理に関する相談対応も3号業務の一部です。たとえば、残業時間の削減や有給休暇の取得促進など、働き方改革に関する課題について、社労士は具体的な改善策を提案します。そして、企業は従業員の健康維持とワークライフバランスの実現、そして生産性向上を目指していきます。

ほかにも、労働紛争の予防や解決に関するアドバイスも3号業務に含まれます。社労士は、ハラスメント対策や労使間のトラブル解決など、デリケートな問題に対しても、法律に基づいた適切な対応方法を提案します。

社労士を活用するメリット

社会保険労務士を活用するメリットを3つご紹介します。

(1)専門知識で安心のサポート

労働法や社会保険制度は、法律改正が頻繁で内容も複雑です。社労士はこれらの分野に精通しているため、専門的な観点から企業の労務管理を支援します。専門家によるサポートにより、手続きミスや法令違反のリスクを最小限に抑えられます。

(2)業務効率化とコスト削減

労務管理や社会保険の手続きは、企業にとって手間と時間がかかる業務です。社労士に業務を委託することで、社員が本来の業務に集中できるようになり、結果として業務効率が向上します。また、社労士に任せることで専門知識を駆使した迅速な対応が可能になり、コストの削減にもつながります。

(3)トラブルリスクの軽減

労務トラブルが発生すると、企業にとって大きな損失となることがあります。社労士は、トラブルの予防策を提案するとともに、問題が起きた場合には迅速に適切な対応をアドバイスします。これにより、未払い残業代や解雇問題といったリスクを未然に防ぐことができます。

社労士を選ぶ際のポイント

適切な社労士を選ぶことは、企業運営を成功させるための重要なステップです。選び方のポイントについて解説します。

(1)実績を確認
社労士の実績を確認しましょう。特に、自社の業界や事業規模に適した実績を持つ社労士を選ぶと、より実践的なサポートを期待できます。

(2)柔軟で迅速な対応力
法改正や企業環境の変化に対応できる柔軟性は、社労士を選ぶ際の重要な要素です。緊急の相談や不測の事態にも対応してもらえるか確認することが大切です。

(3)コミュニケーションの相性
社労士は長期的なパートナーとなることが多いため、相談のしやすさや対応の丁寧さも重要なポイントです。企業の方針やニーズをしっかりと理解してくれるか、初回の打ち合わせで確認しましょう。

(4)料金体系の明確さ
顧問契約やスポット契約にかかる費用が明確であるかを確認することも重要です。不明瞭な料金設定はトラブルの原因になりやすいので、契約前にしっかり確認しましょう。

これらのポイントを踏まえて、自社にとって最適な社労士を見つけることで、スムーズな労務管理が実現します。

まとめ

社会保険労務士は、企業の労務管理や社会保険手続きを支援する心強いパートナーです。顧問契約やスポット契約を活用することで、法令遵守やコスト削減、トラブルを防ぐこともできます。企業の成長や安定を目指す中で、社労士との連携は不可欠といえるでしょう。社労士は、企業と従業員双方にとって欠かせない存在です。
当事務所では、顧問契約の他にスポットでのご依頼も対応しています。お気軽にご相談ください。

ABOUT ME
【監修者】江守章二
【役職】社会保険労務士法人ビジネスパートナー代表社員|株式会社インフィニティ代表取締役 【経歴】 中小企業への生産性向上を支援する中、さらなるサポートを行うため、2017年12月に社会保険労務士法人ビジネスパートナーを設立。 経営者でありながら社会保険労務士でもある立場で、助成金サポート、採用支援、組織マネジメント、労務相談を行う。特に業務のDX化サポートを得意とし、顧問先のHR部門の改革を実現した企業へ贈られる「Money Forward Cloud Award 2024」では京都府では唯一の社会保険労務士事務所として選出。 【保有資格】 社会保険労務士/行政書士/キャリアコンサルタント/宅建主任士